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自分の取扱説明書を手に入れる

自分の取扱説明書を手に入れる

ダイバーシティ&インクルージョン推進を支援する立場として、管理職のダイバーシティマネジメント研修などを行っていると、変化が激しく複雑性の高い今の状況は、管理職にとっては多難な時代だと思わずにはいられません。

プレイングマネージャーとして結果はより厳しく求められる一方、多様な部下が増え、マネジメントはより複雑になり、報酬や役職をちらつかせてもモチベーションを上げることは難しくなっています。

中間管理職という言葉がありますが、下からは突き上げられ、上からは押さえつけられ、まるでサンドイッチの具のようにつぶれそうになっている管理職も少なくありません。
多様な人が働く職場では、今までのやり方や考え方では効果を出すことはできなくなっているのです。

本来の姿は、「中心管理職」。
大きな渦巻の中心となって、影響を与え周りを巻き込みながらことをなしていく役割のはずです。

「部下育成力向上」、というテーマで研修をした時のこと。
最初にエニアグラムを使って自分らしいリーダーシップスタイルを考えてもらいました。

部下育成なのに、なぜ自己理解が必要なのか、なぜ自分と向き合わなければならないのか、不思議に思う人や不快感を示す人がいました。

ダイバーシティマネジメントはマネジメントする側の自分(管理職)と、される側の部下という対立構造の中でとらえてはうまくいきません。
私達は、問題は自分の外にあると思っています。
相手をさす人差し指の先に問題があると。

でも、相手に向いている矢印の源に目を向けるとどうでしょうか。
残された3本の指、中指、薬指、小指は自分の方を向いています。
もしかしたら、自分の何気ない言動やふるまいが相手に影響を与えているとしたらどうでしょうか。

管理職自身も多様性の一部であり、自分の中の多様性に気づかない限りは、相手と良い関係を作ることはできないのです。

エニアグラムを活用し、自分を理解することは、自分に向いている矢印の意味を考え、自分の思考・行動パターンがどのような影響を相手に与えているのかを知ることでもあります。同じタイプの人、異なるタイプの人と話す中で、相手への共感や自分への理解が深まります。自分の弱さやとらわれに気づくと、自己受容とともに相手に対する見方が変化します。
エニアグラムを通して相互理解が深まると、「問題だ」と思っていた部下の行動や思考プロセスを理解できるようになります。

ある管理職は、慎重で消極的な部下に対して「あいつは使えない」とレッテルを張ってしまっていたことに気づきました。
消極的だと思っていた部下は、取り掛かると誰よりも粘り強くやり抜くという強みを持っていたのです。

自分が好む仕事の進め方と部下のそれは違って当たり前ですが、自分中心に考えると自分の考えを押し付けたり、相手の良い面が見えなくなってしまいます。
タイプを理解せずに相手に自分のやり方を押し付けてもうまくいくはずがありません。

相手とよりよい関係を作るためには、まず自分が自分自身とのよりよい関係を作ることが大切です。

エニアグラムを学ぶことは、自分の取り扱い説明書を手に入れ、効果的に部下と関わるためのマインドセットを整えることにほかなりません。


パートナー会員 荒金雅子(タイプ7)


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